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                                | 山を初めから1人で歩くのは無謀です。ある程度山歩きの経験がある人につい
                                て歩きはじめましょう。ハイキングといえども、自然が相手ですから、初歩的なこと
                                を教えてもらうのが楽に、安全に歩くことの早道です。装備をそろえるにも経験者
                                の使っているものを参考にするのがいいですね。 また、せっかくのハイキングですから楽しく歩きたいもの。なかなか難しいかも知
                                れませんが、気のおけない人を見つけられればしめたものです。少し慣れたら、カ
                                ルチャーセンターやハイキングクラブなどに入会するのもいいでしょう。
 花は「フデリンドウ」/2004.05.08/甲州高尾山
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                                | 歩き方や着るものなどは教えてもらえばいいのですが、歩くという気力と健康は
                                自分で調整してください。実歩行が2時間ほどの軽いコースから歩きはじめるのが
                                いいでしょう。が、日頃歩いていないと、お弁当や飲み物を背負っているし、上り坂
                                や下り坂を歩くわけですから「こんなはずじゃなかった」と言うことになりかねませ
                                ん。「毎日1万歩歩いているから・・」というのは山では通用しません。 街中を歩くのと上り坂、下り坂を歩くのでは、使う筋肉が違うのです。普段から、
                                エレベーターは使わずに階段を上り、出来るだけ坂路を歩くなどを心がけてくださ
                                い。長く歩いて持久力も養いましょう。
 花は「ジロボウエンゴサク」/2005.05.14/矢平山
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                                | まず、自分に見合った山を探しましょう。交通の便=片道1.5時間ぐらいまで、歩
                                き出しからの高度差=最初は300〜500メートルぐらいまで、登山道の状態=低い
                                山でも急な登降があるところは敬遠、実歩行時間=2〜3時間をメドに、などをもと
                                に検討します。ゆっくり楽しむために、実歩行時間プラス休憩や食事に1.5〜2時間
                                ほどを見込みましょう。別掲の近郊の山お勧めコースを参考にしてください。 花は「ゴヨウツツジ(シロヤシオ)」/2005.05.26/丹沢表尾根
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                                | 昭文社や山と渓谷社から出ている山の地図は一般的な登山コース、歩行時間
                                などが書き入れてあるので便利です。毎年改定されて新しい情報が得られるのが
                                いいところです。また、両社などから出版されている山歩きのガイドブックは、写真
                                や地図が入っていて親切に出来ています。どこまで交通機関が使えるかも分かり
                                ます。 決めた山の状況を調べておきましょう。どのようなコースか分かっていれば安心
                                して歩けます。万一の場合の待避場所、トイレなども確認しておきましょう。周囲の
                                山の名前も分かっていると楽しいです。特徴のある山を覚え、付近の山の名を調
                                べることを山座同定といい、山の楽しみの一つです。次はあの山へ登ろう・・という
                                気にもなりますから。
 花は「キケマン」/2005.05.28/箱根・屏風山
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                                | 山は午後に天候が変わりやすいので、早発ち、早帰りを原則に予定を組みまし
                                ょう。遅くとも午前7時前の電車に乗ります。時刻表で調べるほかに、パソコンや携
                                帯電話で乗り換え時刻などが調べられるので便利です。バスの発車時刻も調べら
                                れますから、帰りのバスも確認しておきましょう。4、5人ならばタクシーを利用しても
                                バス代とあまり変わらない場合がありますし、バス停よりも奥まで入れることも利点
                                です。前項の地図の裏に地元のバス、タクシー会社の電話番号が載っています。 いっそ、マイカーで出掛けるという手もあります。この場合は登山口が下山口とい
                                う制約はありますが。また、駐車場所をあらかじめ確かめておきましょう。
 花は「コウリンカ」/2005.08.06/乾徳山
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                                | JR、私鉄、バス(順次)にスイカなどの共通カードや「おさいふ携帯」など
                                が使えます。乗り換え時間が少ないとき、出札口に並ばないでいい、小銭が
                                いらない、など便利です。特にバスの場合に前の人が、出口へ行ってからお
                                財布を出す、お札を崩す、数えて入れる、という行動にいらいらしたことが
                                ありませんか。別掲の「近郊の山お勧めコース」は一部のバスを除いて概ね使
                                用可能範囲です。コンビニや駅の自販機でも使えます。 また、乗り放題のJR「青春18切符」などお得な乗り方も研究しましょう。
 花は「ワレモコウ」/2005.09.17/九鬼山
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                                | 山での楽しみの一つはお弁当やおやつですね。一番の楽しみという方もお
                                られますが。お弁当は、日帰りの場合は栄養よりもカロリーを摂るようにし
                                ましょう。好みにもよりますが、パン類よりもすぐカロリーになるご飯がお
                                勧めです。おむすびならば、疲れていても、多少の雨でも食べやすいです。
                                汗をかきますのでいつもより塩気をきかせた方がよいでしょう。ご飯の後は
                                温かい飲み物が欲しいので、夏でもポットに麦茶などを用意していきましょ
                                う。慣れてきたら、現地で山用のコンロでコーヒーなどを湧かすのも楽しい
                                です。 おやつは、疲れたときにも食べられる好物を持って行きましょう。アメな
                                どをポケットに入れておくと歩きながらも食べられます。これが行動食。お
                                腹が空くと"シャリバテ"と言って疲れてしまうのです。自然相手の山ではど
                                んなことが起こるか分かりません。かりんとう、チーズなどを非常用に持ち
                                ましょう。非常食は持ち帰ることが無事の証です。
 飲み物ですが、のどが渇いたからとガブガブ飲んでいてはいくらあっても
                                足りません。自分で背負っていくのですから、夏でも総量を1リットルくら
                                いに抑えます。コツは、生水ではなく麦茶やスポーツドリンクを持ち、ラッ
                                パ飲みするのではなくカップに注いで呑む。これで満足感が違います。
 花は「イワシャジン」/2005.10.19/大山三峰山
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                                | 山歩きをする装備や用具は、普段のもので使えるものもありますが、少しずつ専
                                用の用具などを揃えます。着るもの、持つもの、運ぶもの、あると便利なものなど
                                です。これらの詳細は後で述べますが、ポイントは、@機能的なもの、A軽いも
                                の、B防水性のよいもの、C速乾性のもの、が望ましいです。高価でなくても、気
                                に入った用具は山歩きを楽しくさせてくれます。 @機能的:使いやすいことが第一で、矛盾しますがデザインとか色などは二の次
                                です。また、機能的なものは体力不足を助けてくれます。A軽さ:一日身につけた
                                り、背負って歩くのですから軽さは重要な条件です。そのため、登山用品のカタロ
                                グには重量が記されています。B防水性:山では急に天候が変わることがありま
                                すので、靴、衣類などの防水性をチェックしましょう。C速乾性:素材の開発が進
                                み、すぐ乾く製品があります。木綿の下着で汗をかくと一日べたべたしますが、速
                                乾性の下着は休憩している間に自分の体温で乾いてしまうほどです。
 花は「リンドウ」/2005.11.05/九鬼山
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                                | 着るものの基本は重ね着です。◆下着:秋、冬でも登り始めると汗をかきます。
                                木綿の下着は着心地はいいですが、汗がいつまでも乾かず気持ちが悪く、風に吹
                                かれると風邪をひいてしまいます。汗がすぐに乾く速乾性素材で作られたものを使
                                いましょう。山用品店で売られていますので、木綿より値が張りますがぜひ使って
                                みてください。秋冬の下半身は男女とも薄いタイツがいいです。◆上着:混紡の長
                                袖シャツ。フリースは軽くて温かいですが風を通すので上着には向きません。秋冬
                                は少し厚手のものを。◆ズボン:混紡の山用ズボン、ジャージも歩きやすいです。
                                ジーンズは濡れると歩きにくいので山には向きません。また、短パンはケガをしや
                                すくなるのでお勧めできません。◆防寒着:雨具を兼用すると荷物になりません。
                                薄いフリースのシャツを中間着にします。厚いダウンは敬遠しましょう。◆帽子:安
                                全のためにもぜひかぶってください。首の後に日差しを受けると熱射病になるので
                                夏は工夫してください。 花は「ハナネコノメ」/2006.04.02/棒ノ折れ山
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                                | ◆登山靴:昔は総革で重いものでしたが、今はナイロンが主体の軽登山靴でい
                                い物があります。購入するときは、足入れがいい、つま先が1センチほど余る、ゴ
                                アテックスなどを張ってあり防水がいい、などを注意して選びます。登山用品店で
                                は20〜30分履いて様子を見ましょう。店によってはテスト用の傾斜板があります。
                                ◆ザック:リュックサックの大きさはリットルで表します。小屋に1泊することも考え
                                ると30〜35リットルの物がいいですね。日帰りには少し大きいと思うかも知れませ
                                んが、秋冬にも歩くことを念頭に防寒着も入る大きさです。雨の時に掛けるザック
                                カバーも一緒に買いましょう。◆雨具:「雨の日は出掛けない」とおっしゃいますが、
                                山の天気は気まぐれです。朝晴れていても午後に雨、ということはよくあることで
                                す。山の雨は折り畳み傘だけでは間に合いませんし、安全のために使ってもらい
                                たくないので、ぜひ上下セパレーツになった雨具をいつも持っていてください。「ゴ
                                アテックス」など防水透湿性素材を使ったものは、高価ですが防風、防寒を兼ねた
                                優れものです。夏ならこれを着て野宿が出来るほどです。 花は「オオバギボウシ」/2006.08.19/金時山
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                                | 小物類は、◆タオルとバンダナ:汗ふきはもちろん、首に負けば寒さを凌げます。
                                帰路、温泉に入るのにも使いますね。◆折り畳み傘:山の中では使わない方がい
                                いのですが、行き帰りに降られたときには便利です。◆ポット:冷たい水を飲むとカ
                                ロリーを奪われます。温かい飲み物は緊張したときにホッとさせてくれます。◆ポリ
                                袋:大きなレジ袋に衣類などを入れておけば不意の雨にも心配ありません。また、
                                濡れたものを入れるのにも重宝します。小さいのはゴミ入れに。 あるといいものは、◆ストック:バランスを取ったり、膝への負担を減らすために
                                有効です。メーカーによれば「ダブルで使うと下りで膝への負担が3割減る」と。◆
                                携帯電話:緊急時の連絡以外に電車の情報なども調べられます。◆カメラ:記念
                                撮影、想い出に風景撮影、花のアップ撮影など小型のデジカメが活躍します。◆ヘ
                                ッドランプ:陽の短い秋から春に思わず時間が掛かってしまったときなどあると心
                                強いです。
 花は「ヤマラッキョウ」/2006.10.21/箱根・丸岳
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                                | 山から帰ったらなるべく早く装備の手入れをしましょう。◆衣類:即乾性下着など
                                石油製品は紫外線に弱いので、陰干しにします。カッパやスパッツなどゴアテック
                                ス製品は防水性維持のため、気にならなければ洗わない方がいいのですが、汚れ
                                ていたらスポンジに洗剤を付けて洗い、よく水洗いして陰干しします。洗濯機は使
                                わない方がいいです。◆登山靴:これもスポンジか使い古しの歯ブラシで水洗い
                                し、陰干しします。乾いてもポリ袋などに入れず、乾燥したところに置きます。防水
                                が切れてきたら、山用品店で防水スプレーを買い吹き付けておきましょう。靴の材
                                料によって種類が変わりますので靴を片方持って行って相談するといいでしょう。
                                ◆ストック:普段は使ったままでいいのですが、濡れたときなどは継ぎ目を抜いて
                                水洗いします。アルミでも内側がさびて粉が出ると締まりが悪くなりますので、水鉄
                                砲のようにして洗うのがいいです。◆ザック:防水維持のため使えなくなるまで洗う
                                必要はありません。 乾いたものはすぐにザックに詰めず、段ボール箱などに入れて風通しのよいとこ
                                ろに置きましょう。カップ、手袋など小物も忘れずに。山行前日にザックに詰めま
                                す。
 
  花は「コウヤボウキ」/2006.11.03/秦野・弘法山
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                                | 「山歩きのトレーニングは・・」と聞かれますが、一番いいのは山に行くことです。
                                ひと月に2回登ればトレーニングはいらないと言われています。しかし、そうはいか
                                ない場合もあります。そこで普段街を歩くときは前の人を抜くぐらいの早さで心臓に
                                負担をかけて歩きます。長く歩いて持久力も養いましょう。買った物をザックに入れ
                                て背負い負荷をかけるのもいいですね。山で使う筋肉は普段使う筋肉と違うので、
                                山から帰ると太ももとふくらはぎが痛くなるのです。ここを鍛えるために努めて坂道
                                を歩き、エレベーターなどを使わないで階段を登降しましょう。登りはかかとを着か
                                ずつま先だけで。 山歩き開始前には必ず準備体操をしましょう。特に下半身を念入りする必要が
                                あり、膝の屈伸、伸脚、アキレス腱伸ばし、足首回しなどです。腕を回すなど全身
                                のストレッチも大切です。翌日以降、筋肉痛で階段の登降が苦痛にならないよう
                                に、下山地点で太ももとふくらはぎをよくもみますが、これは早いほど効果がありま
                                す。翌日痛くならなくてもそれなりの方は3日目以降に痛くなりますから安心できま
                                せん。帰路に日帰り温泉でもむのが一番で、疲労回復に間違いなしです。
 花は「センボンヤリ」/2007.04.15/仏果山
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                                | 街では無造作に歩いていますが、山では危険を避け、疲れないように意識的な
                                歩き方をします。基本は、@小股で、A足の裏全体で接地する、B地面を押さえつ
                                けるように、C蹴らない、D肩幅くらいに足を開く、などです。呼吸の仕方も変わり
                                ます。ラジオ体操では「吸って、吐いて」ですが、山で苦しくなり息が上がったら先ず
                                吐きます。吐けば自然に吸うことになるからです。また、足の動きと息づかいを合
                                わせるようにするようにしましょう。一日中、出来るだけ一定速度で歩くのが疲れな
                                い秘訣です。 〔登り方〕小股で歩くために、出来るだけ前方の低いところへ足を乗せます。高望
                                みをしないことです。歩数は増えますが安定して歩けます。急坂になったらつま先
                                を45度ぐらい開くと、抵抗が増えて滑りにくくなります。登山靴はゴム底に工夫され
                                たパターンを作って滑りにくくしてありますから信用して歩いてみましょう。
 〔下り方〕下りは小股になるようになるべく高いところを見つけて足を出します。急
                                になったら、ここでもつま先を開いて安定をよくします。ケガは下りで転ぶのが一番
                                多いので気をつけましょう。足が疲れるのは登りより下りです。ストックを使うと、下
                                りで膝への負担が3割減ると言われますので利用することをお勧めします。
 花は「ニリンソウ」/2007.04.18/坪山
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                                | やたらに休むと返って疲れます。ゆっくり40〜50分は歩き、5〜10分休みます。休
                                憩するときは他の登山者のじゃまにならないところに避けて、先ず水分やおやつを
                                口にする。続いて、暑い寒いの着衣の調節をする、用を足す、靴紐の点検、景色
                                を楽しむ、写真を撮る、記録をつける、地図で現在地を確認する、それから休みま
                                す。足を伸ばしきって休むと歩き始めが辛いです。あまり長居はせず、前記のこと
                                が一通り終わり、呼吸が整ったらゆっくり歩き始めます。休む場所は、出来れば登
                                りきったところが望ましいです。休んですぐに登り始めるより下るほうが楽なのはお
                                分かりいただけますね。 花は「ミツバツツジ」/2007.06.02/箱根・神山
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                                | 山で食べるお弁当は格別です。「山歩きの最大の楽しみ・・」という人もいるくらい
                                ですから。登山路を避けて、平坦なところへシートなどを敷いて陣取ります。富士山
                                が見えるような所なら最高です。初めはポットのお茶で頂くくらいでしょうが、慣れて
                                きたら山用のガスコンロやコッフェルという組み合わせ鍋を持参すると楽しさが増
                                します。暑いときでも、お湯を沸かしてコーヒーや紅茶を飲むとリラックスできます
                                し、インスタント味噌汁やスープを持っていくのもいいでしょう。自慢のお新香が回
                                ってくるのも楽しみです。話に花を咲かせて1時間ほど時間を掛けましょう。せっせ
                                と歩いて、食事もそこそこにというグループを見かけますが、せっかくの山ですから
                                楽しく過ごしましょう。 花は「ニョホウチドリ」/2007.07.18/大菩薩峠
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                                | 山歩きの楽しみはいろいろありますが、登った達成感のほかになんと言っても尾
                                根や頂上からの展望でしょう。雄大な展望を得られれば、そこまで登ってきた苦労
                                は吹き飛びます。尾根での展望は足下に気をつけて立ち止まってからにしましょ
                                う。歩きながらの展望は危険です。頂上からは存分に望みたいところですが、春か
                                ら夏は気温が高いので晴れていても遠くがかすんでしまうので、秋から冬が展望の
                                好季節といえます。そのためにはガイドブックなどで付近の山の名前を調べておき
                                ましょう。国土地理院発行の「20万分の1図」は広い範囲が分かり展望に向いてい
                                ます。 花は「マツムシソウ」/2007.09.01/箱根・明神ヶ岳
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                                | 展望した山の名前が分かると楽しみが増えます。あれこれ山の名前を特定する
                                ことを「山座同定」と言います。頂上に周りの山の名が入った案内盤があればそれ
                                で大まかに知ることが出来ます。しかし、これがある山は少ないので、事前に自分
                                でよく調べていきましょう。昭文社の山と高原地図「大菩薩嶺」の裏面には、近郊の
                                山お勧めコース でご案内している山々が網羅されていますので1枚持つといいで
                                しょう。磁石を用意して、地図の上方を北に向けてまず富士山など直ぐに分かる山
                                を決め、その右は・・・と言う具合に見ていきましょう。頂上にアンテナが立つ三ツ峠
                                山、三角形の大山、大室山や大岳山など特徴のある山を早く覚えるのが秘訣で
                                す。 花は「タムラソウ」/2007.09.01/箱根・明神ヶ岳
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                                | 山歩きの楽しみのひとつは、登山道沿いに咲くきれいな珍しい花を見ることで
                                す。ご紹介している 近郊の山お勧めコース でも、春から秋までたくさん見ることが
                                出来ます。文庫本くらいの山の花図鑑を持って歩くと楽しみが増します。デジカメで
                                写真に残すと後でも楽しめます。パソコンに取り込めば自分の図鑑が出来上がり
                                ます。パソコンで 「木野の山歩き」で出会った花たち を検索してみてください。私が
                                山歩きの“ついで”に撮りためたものなのでピンボケもありますが。 写真を撮るときは花をいじめないようにしましょう。花の保護のためロープが張っ
                                てあれば中へ入ってはいけません。また、三脚を立てての本格的な撮影はハイキ
                                ングのついでではなく改めて行いましょう。場所によっては三脚禁止の所もありま
                                す。
 花は「ツリガネニンジン」/2007.09.01/箱根・明神ヶ岳
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                                | 花の写真を撮ることをはじめ、登った山、展望した山の写真を撮るのも楽しみで
                                す。ただ、日中の写真は太陽が高いので平凡な写真になってしまいます。光線の
                                具合がいいのは朝と夕方の山の陰影が出ているときです。とかく頂上を真ん中に
                                する構図になりがちですが、縦方向では山を9割ぐらいにし、左右3分の1のところ
                                へ頂上を持ってきてください。これで迫力が出ると思います。雲を撮るなら思い切っ
                                て空を8〜9割ぐらいにします。一度プロの写真集を見てお勉強を。 デジカメですとたくさんとっても負担になりません。失敗してもその場で消すことな
                                くどんどん撮り、帰ってから整理しましょう。因みに私は失敗しても消さないで取って
                                あります。無精なんでしょうが、反省したり記念にもなりますので。プリントする場合
                                は「KG」というハガキ大のサイズがお勧めです。サービスサイズより見栄えがしま
                                す。また、自信作はA4サイズなどに大きくプリントすると迫力が出て見違えます。
 花は「ゲンノショウコ」/2007.09.19/篭坂・三国山
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                                | 絵心のある方は、休憩時間にスケッチをするのもいいです。ただ、こればかりは
                                直ぐに始められるものではありません。短い休憩時間ですから同行メンバーに迷
                                惑を掛けないように、普段からの練習がものを言うわけです。 私と一緒に歩いている方が、ほんの10分ほどの休憩時間にスケッチをされ、帰
                                るときまでに色まで塗ってくださいました。聞けば展覧会に出展する腕前だそうで、
                                日頃の成果ですね。グループで歩くときは、スケッチする時間を取れないので別の
                                機会にしましょう。
 花は「クサボケ」/2008.04.09/仙石原
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                                | 山の天気は変わりやすいものです。出掛けに晴れていても午後は雷雨なんてこ
                                とはよくあります。装備の項でも書きましたが、その日の天候で装備を変えないで、
                                山は降るものと決めて雨具はいつも持って出掛けましょう。昔の湿気の抜けないカ
                                ッパと違って、今は着心地の良いセパレートの雨具があり、防寒、防風対策にもな
                                ります。登り始めたら安全のため傘はたたみましょう。急に降られてもあわてない
                                ように、始めから雨の中を歩く経験も必要です。ただ、道が滑りやすくなるので、小
                                股でつま先を開き、腰を落として、安定して歩くことに慣れましょう。木の根や岩の
                                上は特に滑りやすいので気をつけます。 花は「エイザンスミレ」/2008.04.16/オオマテイ山
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                                | 夏の暑い日に歩くと、午後は雷に遭うことがあります。雷雲は、雷鳴を聞いてから
                                30分ぐらいで近づくといいます。近づいてから30分ほどで離れ、さらに30分ほどで
                                遠のきます。雷鳴が聞こえたら樹林帯や四阿などに避難し、雷雲が滞留している
                                30分我慢していればいいわけです。そのとき、幹や柱のそばにいると感電するの
                                で、木の先端から45度の範囲で遠くへ、四阿では真ん中に足をそろえてしゃがむ
                                ようにします。尾根にいたら急いで低いところへ逃れましょう。 花は「イワカガミ」/2008.04.27/坪山
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                                | 楽しい山歩きから帰ってからも気を抜いてはいけません。まず、からだの調整で
                                す。普段使っていない筋肉を使ったので、腿の前とふくらはぎをもみほぐしましょ
                                う。この4か所をぬるいお風呂に入って30分ぐらい良くもみます。怠ると翌日、階段
                                を下れないようになってしまいます。それなりの方は翌々日ですから安心しないでく
                                ださい。これは、早いほど効果があるので、帰路の温泉に立ち寄ることをお勧めし
                                ます。心も体も解放され疲れが残りません。「お疲れ〜」の一杯がたまりませんね。 花は「ナンテンハギ」/2008.06.11/百蔵山
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                                | 装備の項でお話ししましたが、着るものは石油製品がお勧めです。ですが、紫外
                                線に弱いので陰干しが原則です。汗をかいた下着などは洗濯機で洗い陰干ししま
                                す。雨に濡れたカッパなどゴアテックス製品も、ざっと泥を落とし手洗いして陰干
                                し。靴はスポンジなどで泥を落とし水洗いして陰干しをします。いずれもポリ袋など
                                に入れないで、風通しの良いところに。忘れ物がないように蓋のない段ボール箱に
                                入れておくのがいいでしょう。防水が効かなくなったら、専用の防水スプレーをかけ
                                ます。ストックはつなぎ目を引き抜いて水洗いし立てて乾かしておきます。ザックは
                                洗う必要はありません。 花は「グンナイフウロ」/2008.06.25/節刀ヶ岳
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                                | 山は私たちにたくさんの恵みを与えてくれます。「山に登らせてもらう」くらいの謙
                                虚な気持ちで歩きたいものです。そのため、@登山者のために階段や木道が整備
                                されていますが、「登山道以外を歩いて草や木の根を踏まないでほしい」、という願
                                いがあるのです。Aストックにはゴムのプロテクターを付け登山道や木道を傷めな
                                いようにし、出来るだけ登山道内に突きましょう。B最近は山のゴミが少なくなりま
                                したが、これからはゴミを拾うことも心がけたいです。食べ物の余りは生ものだから
                                捨ててもいいというのは間違いで、その山に元来ないものはゴミです。塩分は植物
                                を傷め、山にないものを動物が食べれば「人間はうまいものを持っている」と思って
                                襲ってくる原因になります。 花は「キバナヤマオダマキ」/2008.06.27/節刀ヶ岳
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                                | 自然とつきあうには、@登山者の排泄物が問題です。特に人気のある山では飽
                                和状態といわれています。日本の多くの山では沢の水がそのままでは飲めなくなっ
                                てしまいました。開発された山の動物が人家近くでゴミをあさり大腸菌などを山に
                                ばらまいてしまったこともありますが、多くは私たち登山者の排泄のためなのです。
                                一部の山では、排泄物の持ち帰り運動が始まっています。A山の動物に食べ物を
                                与えてはいけません。それに慣れて、自分でえさを探さなくなり、冬に餓死してしま
                                うのです。また、人間はうまいものを持っていると学習してしまい襲ってくることもあ
                                ります。動物は自然に生きるのが幸せなのです。 花は「イワベンケイ」/2009.07.19/節刀ヶ岳
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                                | 軽くて暖かい高性能な衣服のお陰で、冬でも歩けるようになりました。初めから雪
                                のある山は無理ですが、500mぐらいの山に日だまりハイクはどうでしょうか。準備
                                としては、@雪がなさそうで、南側に登山路のある山を目指します。A服装は、春
                                秋のものに薄いフリースを重ね、カッパを上着にします。厚い羽毛服は暑すぎて向
                                きません。B厚手の手袋、マフラーをするとシャツ1枚分の暖かさです。帽子は耳
                                が隠れるものを。C雪が無くても凍っている場合がありますので、四つ爪の軽アイ
                                ゼン(靴に付けるかんじき)を持ちます。D滑らないようにストック、日が短いのでヘ
                                ッドランプを。E暖かいものが欲しいのでポットに飲み物を。余裕があったら、ガス
                                コンロと小さなコッフェル(組み合わせ鍋)を持ち、ラーメンでも作ればご馳走です。 冬に歩く楽しみはなんといっても展望の良さです。空気は澄み、葉が落ちている
                                ので他の季節では見えなかった遠くの山々が見えます。そのために、事前にどの
                                ような山が見えるのか調べておくことをお勧めします。富士山を中心に、箱根や丹
                                沢、遠くに真っ白いアルプス、というような山に登れば最高ですね。
 花は「ノハラアザミ」/2008.06.11/百蔵山
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                                | 帰宅したら、歩いた山の記録を作りましょう。次回の参考になりますし、反省の材
                                料や記念になります。予定表を貼り、登った山、主な通過点の時間、展望のよかっ
                                たところや危険なところ、出会った花や動物、同行者も記録します。あとで写真を
                                貼ると立派な山日記が出来上がります。ファイルに綴じるのもいいですし、パソコン
                                に入れておけば検索も楽になります。
 花は「レンゲショウマ」/2009.07.25/御岳山
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                                | 山歩きは自己流でも始められますが、安全に少しでも楽に歩きたいものです。そ
                                こで仲間を捜すことをお勧めしたわけですが、少し慣れたらカルチャークラブやハ
                                イキングクラブに入って基礎を習うとよいですね。準備段階、行動中の注意点、万
                                一の時の対処方法、地図の見方など、考えていては浮かばない知恵が伝授される
                                はずです。多少の支出になりますが安全登山を学ぶ方法です。 花は「キバナアキギリ」/2009.09.11/槙寄山
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                                | 行動中ばかりが山ではありません。家にいるときも山を念頭に置いた生活が望
                                まれます。トレーニングはもとより、ガイドブックや地図を開いて次の山の計画、装
                                備の補充や手入れ、などは直接的なものです。ほかに、山の記録や紀行、山岳小
                                説などを読む、気に入った写真を大伸ばしして飾る、なども。手始めに新田次郎の
                                小説はどうでしょうか。気象庁に勤務しただけあって現実味があり、モデルがいる
                                ので引き込まれます。特に直木賞受賞作の「強力伝」、映画にもなった「劔岳・点の
                                記」、執念を感じる「孤高の人」の3冊がお勧めで、文庫にもなっています。 花は「フシグロセンノウ」/2009.08.05/杓子山
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                                | パソコンは前述の山日記のように記録するほかに、山行前の情報を得るのに重
                                宝します。@登山路の様子など現地の最新情報。A乗り換えやバス時刻、タクシ
                                ーなど交通情報。B下山後の温泉などの情報。C天気予報。D泊まりならば小屋
                                の予約もできます。インターネットにはあらゆる山の情報が掲載されているので見
                                るだけでも楽しめますが、情報が古かったり、独りよがりの話もありますのでよく吟
                                味しましょう。 私は、インターネットで情報を得るほかに、山行予定表作成、山行の記録、山の
                                本の管理、山仲間の住所録、同行者とのメール交換、ホームページの公開、など
                                を行っています。
 花は「キツリフネ」/2009.09.16/黒岳        終わり
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